最近のトラックバック

« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »

2006年5月20日 (土)

酔いどれ草の仲買人 / ジョン・バース

これも随分前に一度神戸の図書館で借りて読んだのですが、なにせ長い話で期日中に返却するため相当読み飛ばしたので、訳がわからなくなっってしまい、読み直したいと思ってた小説です。

ちょっと前に古本屋で見つけたので買っておいたのですが漸く読み終えました。

ジョン・バースはアメリカの作家の中ではよく読んでる作家なのですが、少々理屈っぽくて鼻につくところもあって自分でも好きなのかどうかはっきりしません。ただ、「船乗りサムボディ最後の船旅」は傑作だと思います。

バースの小説の特徴は、①長い。(短いのもあるけど)②登場人物がみんなおしゃべり。③くどい(または理屈っぽい)。といったところでしょうか。個人的にはそういった部分が少し緩和されたように思える年を取ってからの作品が好きです。

「酔いどれ草~」はバースの3作目の小説で出世作という事です。

舞台は独立以前の北米で、ネイティブアメリカンやら海賊やらがいっぱい出てくる、ちょいと古めの形式を意識して書かれた物語です。

主人公は「無垢なる童貞」の詩人で、イギリスで大学をさぼり、怠けていたところを父親に見つかり、北米にある父親のタバコ農園の管理を命じられて渡米するんですが、途中海賊やら、陰謀やら嵐やら遭難やらインデアンによる拉致やら、さまざまな苦難に遭遇した末、しまいには管理を任された父の領地まで騙し取られるというようなひどい目に合います。

旅の道連れとなる下僕もとんでもない男で自分の主人の名を語って飲む、打つ、買うの放蕩三昧、それも全て主人のためと言い逃れるずうずうしさ。二人でドンキホーテとサンチョパンサよろしくずっこけ道中を繰り広げます。まるで漫画みたいな話ですが、途中、様々な登場人物がそれぞれに自身の物語を語るため、話がどんどん横道に逸れていきます。そのためストーリーが錯綜し、ついていくのが大変ですが、面白いのでけっこう入り込んでしまいます。

バースの直近の翻訳は「ストーリーを続けよう」というタイトルの短編集で、なかなか面白かったです。「酔いどれ~」と違って随分すっきりした文体で知的でスマートな連作という印象でした。

そういえば、その後バースの翻訳出てないなあ・・・。

2006年5月13日 (土)

むずかしい愛 / イタロ・カルヴィーノ

短編作家で読むのはこのカルヴィーノと筒井康隆氏ぐらいなのですが、カルヴィーノの小説はここ10年くらいまったく読んでなかったので本当に久しぶりに読みました。1作ごとに作風が変わると言われる作家ですが正直なところ、面白いと思うときと、なんだか面白さが良く分からないと思うときがあります。一番好きな小説は「冬の夜一人の旅人が」というもので、これは随分前に読みましたがそのうち再読しようと思いながらそのままになってます。

カルヴィーノを最初に読んだのは確かSFマガジンに連載されていた「レ・コスミコミケ」だったと思いますので、たぶん中学生のときだと思います。そのときは内容が良く分からなかったんですが、とにかく宇宙規模の大法螺話というようなものでした。後に早川書房の海外SFノヴェルズの1冊として纏められて、フィリップ・K・ディックの「パーマーエルドリッチの三つの聖痕」なんかと一緒に出たのを買って以来、ちょくちょく読むようになったという感じです。だからしばらくはSF作家だと思ってたんですね。

この人も亡くなって随分になりますが、死後随分たくさん本が出てます。そのあたりはあまりフォローしきれてなくて読んでないのですが、本人としては発表するつもりのなかったものまで出されているという状況のようで出来の方も賛否あるようですね。いずれにせよイタリアでは相当重要な作家なんだろうと思います。

この「むずかしい愛」はたまたま本屋で見かけて買ったんですが以前福武書店からハードカバーで出てたもののようです。知らんかった。

タイトルに「ある~の冒険」と付けられた小説を集めた短編集で、写真家、主婦、会社員といったどちらかといえば平凡な主人公の日常からちょっとだけ外れた”冒険”について書かれています。原作のタイトルが、すべて「ある~の冒険」となっているのか、翻訳者によって揃えられたものかはわかりません。

面白いものもあるし、そうでもないものもあるしというのが読後の感想です。もともと短編小説の”読み方”を心得てない読者なので「お前の理解力がないだけのことだ、バカタレ」と言われてもしょうがないんですけど。あ、一応言っておきますがカルヴィーノは長編小説も書いてます。短編も連作みたいな感じのものが多いですね。

とりあえず、もしはじめて読もう思われるなら「冬の夜ひとりの・・・」をお勧めしておきます。

« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ