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2006年5月20日 (土)

酔いどれ草の仲買人 / ジョン・バース

これも随分前に一度神戸の図書館で借りて読んだのですが、なにせ長い話で期日中に返却するため相当読み飛ばしたので、訳がわからなくなっってしまい、読み直したいと思ってた小説です。

ちょっと前に古本屋で見つけたので買っておいたのですが漸く読み終えました。

ジョン・バースはアメリカの作家の中ではよく読んでる作家なのですが、少々理屈っぽくて鼻につくところもあって自分でも好きなのかどうかはっきりしません。ただ、「船乗りサムボディ最後の船旅」は傑作だと思います。

バースの小説の特徴は、①長い。(短いのもあるけど)②登場人物がみんなおしゃべり。③くどい(または理屈っぽい)。といったところでしょうか。個人的にはそういった部分が少し緩和されたように思える年を取ってからの作品が好きです。

「酔いどれ草~」はバースの3作目の小説で出世作という事です。

舞台は独立以前の北米で、ネイティブアメリカンやら海賊やらがいっぱい出てくる、ちょいと古めの形式を意識して書かれた物語です。

主人公は「無垢なる童貞」の詩人で、イギリスで大学をさぼり、怠けていたところを父親に見つかり、北米にある父親のタバコ農園の管理を命じられて渡米するんですが、途中海賊やら、陰謀やら嵐やら遭難やらインデアンによる拉致やら、さまざまな苦難に遭遇した末、しまいには管理を任された父の領地まで騙し取られるというようなひどい目に合います。

旅の道連れとなる下僕もとんでもない男で自分の主人の名を語って飲む、打つ、買うの放蕩三昧、それも全て主人のためと言い逃れるずうずうしさ。二人でドンキホーテとサンチョパンサよろしくずっこけ道中を繰り広げます。まるで漫画みたいな話ですが、途中、様々な登場人物がそれぞれに自身の物語を語るため、話がどんどん横道に逸れていきます。そのためストーリーが錯綜し、ついていくのが大変ですが、面白いのでけっこう入り込んでしまいます。

バースの直近の翻訳は「ストーリーを続けよう」というタイトルの短編集で、なかなか面白かったです。「酔いどれ~」と違って随分すっきりした文体で知的でスマートな連作という印象でした。

そういえば、その後バースの翻訳出てないなあ・・・。

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コメント

この小説だいすきです。バースはこの作品しか読んでいないのですが、安部公房に次いで好きな作家です。「コンプロマイズ!」の場面では大笑いしました。

安部公房は僕も大好きです。全集買ったまま全然読んでないけど、特に「密会」がよかったなあ。あとブログにも書きましたがバースの「船乗りサムバディの最後の船旅」は傑作だと思うので是非読んでみてください。

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