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2006年10月14日 (土)

見えない都市 / イタロ・カルヴィーノ

この所、あまり本も読まず、新しいCDも買ってなかったので書くネタがなかったんですが、ようやくカルヴィーノを読み終わったので感想などを少し書きます。

随分前から読みたいと思いつつ、なんとなく読みそびれてた本です。

昔はタイトルに「マルコポーロの」というのがくっついてたのが文庫になって「見えない都市」だけになってました。古本屋でたまたま見つけたのでたぶん文庫化されてだいぶ経ってるんでしょうね。

マルコポーロの名がくっついていたのは、この小説がマルコポーロがフビライ汗にいろいろな都市の様子を語って聞かせるという体裁になっているからです。都市の描写が50編以上の短編(といってもひとつにつき2,3ページ)として描かれているのですが、その内容は荒唐無稽なものからどこかで聞いたような都市をカリカチュアしたようなものまでさまざまです。一種の短編集と言えますが、全体として統一されてるという意味では、この全編で1つの作品とも言えます。この辺がカルヴィーノらしいですね。

カルヴィーノという作家は、個人的にはどうも自分でも好きなのかどうなのかわからない妙な作家なのですが、その理由は読後に充実感がない感じがするためです。

普通、小説を読み終えると、達成感とか、感動とか、よかった~とか何か残るんですがカルヴィーノの場合、それがあまりないんです。じゃあ面白くないのかと言われると決してそんなことはなくて、面白さを感じてるんで、そこが妙なんですけど。たまねぎの皮をむいていったら、結局何にもなかったみたいな、だまされたような、空虚さが残るんですね。その虚無感を楽しむというか、煙に巻かれて喜ぶというか、そういう小説ですが、これがカルヴィーノの小説の中でも傑作のひとつであることは間違いないと思います。

Kokologb_1

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