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2006年12月 7日 (木)

コレラの時代の愛 / G.ガルシア・マルケス

新潮社からマルケスの全集が刊行され始めました。1冊目の「わが悲しき娼婦たちの思い出」が出たときはぐっとこらえて見送ったんですが、この「コレラ・・・」が出たときは迷わず買ってしまいました。むかーしむかし、ピンチョンがこの小説をべた褒めしてるのを読んで以来読みたかった本だったからです。

僕が大学の頃、ラテンアメリカの出版ブームみたいな時期があって、やたら南米の作家が翻訳されてました。その代表がマルケスであり、「百年の孤独」だったんですが、当時なんとなく方向を見失って行き詰っていた小説の世界において、豊穣な物語性、奔放な想像力にあふれたマルケスらの作品がある種の突破口のように見えていたのかもしれません。

マルケスの大きな特徴は魔術的リアリズムと表現されるように、ありえないこと、例えば何年も庭の木につながれたまま生き続ける人や、銃殺された者から流れた血が自分の家の戸口まで流れていってその死を家族に知らせる、物干しにシーツを掛けてる途中で空のかなたに浮かんで消えていく少女などといったエピソードがあたりまえのように日常の中に入り込んでいるところにあるのですが、語り口が絶妙で全く普通のこととして読めてしまいます。おじいさんが昔話を聞かせるように、話しているうちにどんどん話が誇張されほら話となっていくという感じです。

ただ当時「百年の孤独」を読んだときは同じような名前の登場人物がやたら出てきて、誰が誰だか判らなくなった覚えがありますが。

さて「コレラの時代の愛」は、「百年の孤独」のような派手さはないのですが、大変面白い小説でした。僕はほとんど恋愛小説を読みませんが、これはやはり恋愛小説ですね。主人公は50年以上もの間、一人の女性を慕い続けます。その間600人以上の女性と関係を持ちながらも、ずっと一人の女性を追いかけるというほとんどストーカーのような話で、設定からして既にありえない感じですが、そこはマルケス独特の語り口で見事にリアリティのある物語となっています。なによりこの長い小説で一番まいったのはその見事な終わり方です。小説の終わり方というのは大変重要だと思うのですが、これは中々きれいに終わってます。マルケスの話の巧さはまさに超一流ですね。

ところでネットでガルシア・マルケスを検索すると、近頃はカバンとか服とかが出てくるんだなあ・・・Kokologgm

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