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2006年12月30日 (土)

ロリータ / ナボコフ

ナボコフは以前から興味を持っていながらあまり読んでいなかった作家です。ベンドシニスターというのを随分前に読んだきりで内容もわすれちゃいました。私は記憶力が悪いので結構何度でも同じ本を楽しめます。

で、ちょっと前にロリータの新訳版が出たときに買おうかと思いながらそのままにしてたら、早くも文庫化されて、詳細な注釈までついてるとのこと。これはもう買いなさいという神のお告げだと判断して買いました。

1955年に出版されたナボコフの超有名作で、ロリコンの語源になった小説ですが、読んだ印象としては随分モダンな小説だなあという感じです。訳文のせいかもしれませんが、今年書かれたと言われてもそうかと思うような新しさがあります。

解説でも言われてるとおり、様々な要素が何重にも絡み合っていて、読み手の嗜好で読み方が変わるような小説です。ナボコフは技巧的な作家として有名で、色んな言及や言葉遊びが盛り込まれており、知識貧困な私には正直何に言及してるのかわからない箇所が多数ありましたが、そういうことがわからなくても本筋の面白さは変わりません。もちろんわかった方がいいんでしょうが、そこら当たりはピンチョンなど現代作家に共通する特徴ですね。

新訳らしさという点では主人公の一人である女の子の言葉遣い(うざい、きもい)などに今時な感じがありました。こういう翻訳がいいのかどうか良くわかりませんが、以前ピンチョンのヴァインランドを読んでたとき、イタリア系アメリカ人の刑事がしゃべる言葉が大阪弁に訳されていて、非常な違和感があったのに比べれば特に気になりませんでした。

ところで詳細な注釈の件ですが、結末に触れる部分があるため、本文を一度読んでからでないと参照できない仕組みになっています。要するに最低2回は読みなさいということのようです。2度読みする価値は十分ある小説であることは確かですが。Kokologlolita

ついでながら古本屋で旧訳版を見つけたのでついそれも買ってしまいました。・・・そうすると3回読むことになるなあ。

2006年12月27日 (水)

OZ LIVE / OZ NOY

JAZZ LIFEのCDレビューで気になってたOZ NOYというギタリストのライブ。23日に梅田に出た際買って来ました。どういう人か良くわかりませんが、なかなか面白いギタリストでした。

ファンクっぽいリフでジミヘン、チャーといったあたりの雰囲気の曲調ですが、ソロのフレーズはジョン・スコフィールドやビル・フリゼルあたりの影響を感じさせる、かなり現代的な内容になってます。ブラッド・ウルマーあたりにも似た感じがしますね。

少々ひねくれたフレーズとキャッチーなリフという組み合わせで、ひょっとしたら人気が出るかもしれません。Kokologoznoy

2006年12月17日 (日)

スノーホワイト/ 諸星大二郎

最近近所にマンガの貸し本屋さんができたため、しょっちゅうマンガを借りてまして、どんどん堕落した生活になっていってます。のだめ、面白いです。

諸星大二郎さんの新刊が出てたので早速買いました。

グリム童話を題材としたものはこれで2冊目ですね。中身は完全に諸星ワールドでした。諸星さんの絵はもともと大好きなんですが、非常に丁寧に書き込まれていて最近特に惹きこまれます。白雪姫は随分怖い話となっていましたが、諸星さんが後書きで書いておられるとおり、確かに見かたによってはかなり薄気味悪い話ですよね。死体に惚れる王子に死からよみがえるお姫様。変態と妖怪ですね。

話は変わりますが、少し前にトマス・ピンチョンの新作が年末に出版される(何年ぶりやろ?)というニュースをネットで見つけて興奮してたんですが、先日既に書店に置いてありました。とてもピンチョンを原書で読むほどの語学力がない上、いつもながらのあまりの分厚さにたじろぎ、買いませんでしたが、読めもしないのに欲しくなるんですよねえ、これが。前作のメイソン&ディクソンもまだ未訳のままだし、誰か早く訳してくれないかなあ・・・・Kokologsnoww Kokologpynchon

2006年12月 7日 (木)

コレラの時代の愛 / G.ガルシア・マルケス

新潮社からマルケスの全集が刊行され始めました。1冊目の「わが悲しき娼婦たちの思い出」が出たときはぐっとこらえて見送ったんですが、この「コレラ・・・」が出たときは迷わず買ってしまいました。むかーしむかし、ピンチョンがこの小説をべた褒めしてるのを読んで以来読みたかった本だったからです。

僕が大学の頃、ラテンアメリカの出版ブームみたいな時期があって、やたら南米の作家が翻訳されてました。その代表がマルケスであり、「百年の孤独」だったんですが、当時なんとなく方向を見失って行き詰っていた小説の世界において、豊穣な物語性、奔放な想像力にあふれたマルケスらの作品がある種の突破口のように見えていたのかもしれません。

マルケスの大きな特徴は魔術的リアリズムと表現されるように、ありえないこと、例えば何年も庭の木につながれたまま生き続ける人や、銃殺された者から流れた血が自分の家の戸口まで流れていってその死を家族に知らせる、物干しにシーツを掛けてる途中で空のかなたに浮かんで消えていく少女などといったエピソードがあたりまえのように日常の中に入り込んでいるところにあるのですが、語り口が絶妙で全く普通のこととして読めてしまいます。おじいさんが昔話を聞かせるように、話しているうちにどんどん話が誇張されほら話となっていくという感じです。

ただ当時「百年の孤独」を読んだときは同じような名前の登場人物がやたら出てきて、誰が誰だか判らなくなった覚えがありますが。

さて「コレラの時代の愛」は、「百年の孤独」のような派手さはないのですが、大変面白い小説でした。僕はほとんど恋愛小説を読みませんが、これはやはり恋愛小説ですね。主人公は50年以上もの間、一人の女性を慕い続けます。その間600人以上の女性と関係を持ちながらも、ずっと一人の女性を追いかけるというほとんどストーカーのような話で、設定からして既にありえない感じですが、そこはマルケス独特の語り口で見事にリアリティのある物語となっています。なによりこの長い小説で一番まいったのはその見事な終わり方です。小説の終わり方というのは大変重要だと思うのですが、これは中々きれいに終わってます。マルケスの話の巧さはまさに超一流ですね。

ところでネットでガルシア・マルケスを検索すると、近頃はカバンとか服とかが出てくるんだなあ・・・Kokologgm

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