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2007年2月10日 (土)

スキャーナー・ダークリー / フィリップ・K・ディック

映画スキャナーダークリーは関西で1館だけ2週間公開されてましたが、結局行けませんでした。そんなわけで原作本再読でがまんすることにしました。以前サンリオ文庫から「暗闇のスキャナー」というタイトルで出てた飯田隆昭訳で読んだのですが、今回は浅倉久志版が映画公開に合わせて早川書房から出たのを読みました。これ以外に創元社からも別の版が出てます。浅倉久志さんはカートヴォネガットやディックの他の作品でもおなじみで、好きな翻訳者のひとりです。

ディックの小説のほとんどは、自分自身や自分の見ている世界が本物なのか?偽者じゃないのか?すべては幻覚じゃないのか?といった不安を描く内容です。自分の存在自体が不確かになっていく中で主人公はどんどん疲れ果て、消耗していきます。

大体の場合、SF的な仕掛け(偽の記憶を植えつける装置なんかですね)があるわけですが、このスキャナー・ダークリーに関してはそういったSF的な要素はほとんどなく、物質Dと呼ばれるドラッグによって主人公はぼろぼろになっていきます。登場人物のほとんどがジャンキーで、もう最初から最後までやりきれない悲しみに満ちた小説です。最後には主人公の精神は自分の名前さえわからないほどに荒廃してしまいます。

読むとかなり落ち込んだ気分にさせてくれるので、元気の無いときは読まないほうが良いと思います。ディックの小説ではこの小説と一番最初に読んだ「パーマーエルドリッチの三つの聖痕」が一番印象に残ってます。

「スキャーナーダークリー」以降は、「ヴァリス」など、かなり神秘思想に影響された作品を残してますが、このあたりにはあまり造詣が深くない私にはちょっとついていけない感じがあります。Darkly

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