最近のトラックバック

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月21日 (土)

フーコーの振り子 / ウンベルト・エーコ

エーコは「薔薇の名前」で一躍有名になった作家ですが、元々は記号学の先生だそうです。「フーコーの振り子」はその2作目(だったと思う)。

自費出版を中心とした出版社で働く3人にテンプル騎士団に関わる暗号メモみたいなものが持ち込まれてくるところから話は始まります。

この出版社は、例えばUFOと古代文明とか義経ジンギスカン説みたいな感じのキワモノを中心に自費出版させる会社です。もともと自分の本を出版してほしいと持ち込んでくる連中は陰謀だの謎だのを無理やりこじつけて持論を展開していくようなちょっと狂信的な人ばかりで、主人公の3人とも少々小ばかにしてたんですが、そんなことぐらい自分達にもできるとばかりに、そのテンプル騎士団の暗号メモをありとあらゆる偶然の一致、史実と結びつけて解読していきます。結果、秘密結社と陰謀からみたヨーロッパ史みたいな物を作り上げていくことになるわけですが、あまりに巧く物事が符合していくため、次第にその作業にのめりこんでいくことになります。そして徐々にその陰謀が本当なのか、単なるこじつけによる空想なのかわからなくなってくるという仕掛けです。

なかなか面白そうでしょう。でも実のところ私自身はそれほど楽しめなかったんです。そもそもテンプル騎士団、中世ヨーロッパ史、キリスト教の歴史、密教、薔薇十字、フリーメーソンなどについての知識があまりに貧困で、ついていけない部分が多かったんですね。そもそもフーコーの振り子が何かも知らないで読んだんだからどうしようもありません。

かなり説明はしてくれてるんですが、どれがネタの部分でどこからが作者の創作なのかが判断できなかったんです。

でもこういう分野が得意な方には面白いと思いますよ。聖杯伝説から地球空洞説まで世界の神秘と謎のオンパレードという内容ですから。Huriko Huriko2

2007年4月12日 (木)

カート・ヴォネガットのこと

さきほど新聞にカート・ヴォネガット氏の死亡記事を見つけました。

またひとり好きな作家が去ってしまい少々落ち込んだ気分です。ヴォネガットという作家は自分にとって非常に大きな存在で、高校の頃に読んだ「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」に啓発されてその後の読書傾向が決まってしまったように思います。思想的にも大きく影響を受けました。当時SF小説ばかり読んでいた私を現代文学への橋渡ししてくれた作家でもあり、先日亡くなったスタニスワフ・レムやフィリップ・k・ディックなどと並んでほとんどの作品を読んでいると思います。ジョージ・ロイ・ヒルによって映画化された「スローターハウス5」は今でも私の最も好きな映画です。

最近爆笑問題の太田さんが「タイタンの妖女」を絶賛してたという話を聞いて、読み直そうかと実家から文庫本を持ってきたところでした。

少し前になりますが「タイムクエイク」を読んだときに、ヴォネガットも少し老いたかなという印象を受けたのですが、こんなに早く逝ってしまうとは思っていませんでした。84歳という年齢からすれば決して短命とは言えない訳で、私自身が年をとってきたのだから、こういうことが多くなってきて当然だとも思いますが、やるせない気持ちは拭えません。

ABCニュースにはインディアナポリスで2007年を「ヴォネガットの年」とするとの宣言がなされたとの記事がありました。

ご冥福を祈ります。

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ