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2007年9月16日 (日)

族長の秋 / ガルシア・マルケス

このところ、またマンガばかり読んでたので、読み終わるのにえらい時間が掛かってしまいました。マルケス全集の中の1冊で、「族長の秋」と6編の短編が収録されてます。全部一回読んでるはずなんですが、全く覚えてないのがほとんどでした。「エレンディラ」だけは映画でも見たりしたので覚えてましたが、いやはや自分の脳細胞にますます自信が無くなってきました。

「族長の秋」はちょっと変わった文体で書かれた小説で、10年以上前に読んだときは途中で投げ出したような気もします。物語の語り手が段落無しにどんどん変わってしまい、しかも明確に誰が語り手なのか明示されないことがほとんどなので、慣れないと読みづらいでしょう。

しかも語られるエピソードが時間的にあっちこっち前後したりしますから結構大変です。何回か章の切れ目がありますが、そのたびに主人公が死んでいる場面に戻り、そこからまた様々なエピソードが語られるというような構造になってます。

主人公は中南米らしきどこかの国の独裁者ですが、将軍とだけしか書かれず、名前も出てきません。独裁者であり、圧政者であり、最高権力者でありながらどんどん現実世界から遠ざけられ、恐ろしいほどの孤独に苛まれつづけます。それにもかかわらず100年以上政権を守り続けるという、それこそ「百年の孤独」以上に孤独な男の話です。

次から次へと繰り出されるエピソードはマルケスらしいスケールの大きな荒唐無稽さ、ユーモア、童話のごとき残酷さに溢れていて非常に魅力的です。

文体のせいもありますが、非常に濃縮された密度の高い小説という印象を受けました。相当緻密な計算がないと書けない小説ですね。

Kokologaki

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