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2009年5月 4日 (月)

冬の夜ひとりの旅人が / イタロ・カルヴィーノ

イタロ・カルヴィーノの小説の中で最も好きな小説です。といっても随分前に一度読んだだけだったので今回十数年ぶりに読み返してみました。

「あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。」という最初の文章からして実にカルヴィーノらしいんですが、これ実にケッタイな小説です。二人称小説という少々珍しい(・・・こともないかな?)文体で書かれていて、主人公たる「男性読者」がカルヴィーノの小説を読み始めようとするんですが、落丁が見つかり最後まで読めない。取替えにいったら今度は全然違う内容の小説で、これまた途中で読めなくなってしまう・・・というようなことが延々と続いてい行きます。結局我々読者は、「男性読者」とともに10編の未完の小説の冒頭のみを読まされてしまうことになります。

未完といっても、短編としてみればそれなりにある種完結していて、それがまたいろいろな作家の文体のパロディになっていたりします。僕の知識ではどれが誰のパロディかよくわからないんですけどね。でも日本人作家風あり、東欧作家風あり、中南米作家風ありという具合でそれなりに楽しめます。

物語は「男性読者」の何とか最後まで本を読みきりたいという欲求に導かれて、どんどんヘンテコな世界に入り込んでいきます。

カルヴィーノはとにかく色んな作風で書くことで有名な作家ですが、面白さという点ではこの作品が一番じゃないかと個人的に思っています。

ちくま文庫でも出てるようなのでお手軽に手に入るみたいですし、お勧めです。

アマゾンの書評に訳文が悪いというようなことを書いてる人がいたけど、別にそうは感じなかったけどなあ。

Kokologfuyu

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