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2010年2月 1日 (月)

MAN IN THE DARK / PAUL AUSTER

オースターの短い長編(または長めの中篇)です。

妻を病気で亡くし事故で下半身が不自由になってしまった老人が主人公。離婚した娘と最近恋人を亡くして傷心の孫娘の3人で暮している。老人は不眠症のなぐさみとして真っ暗な部屋のベッドで物語を夢想している。その物語の中でアメリカは内戦状態にあり、イラクとの戦争は起こっていない・・・・というような、いかにもオースターらしい設定になってます。毎度お馴染みの作中物語と現実がだんだんからんできて、どうなるのかと思ったら作中作の方は唐突に終わってしまいます。最初あれ?と思いましたが、夢想の世界に逃げ込んでいた老人が現実としっかり向き合う決意をしたということでしょうか。その後はもっぱら現実の話に終始します。

非常にきびしい、立ち向かえそうもない残酷さと狂気にあふれた現実になんとか向き合い、折り合いをつけていこうとする主人公と家族の姿が静かに語られていきます。

オースターの小説の良いところは、恐ろしくやりきれない状況が描かれているにもかかわらず、どこかにわずかな救いがあるということでしょうか。決してハッピーエンドになるわけではないのですが、なんとか絶望から逃れるというような感じです。

Kokologpamandark

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