最近のトラックバック

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年7月19日 (月)

賜物 / ウラジーミル・ナボコフ

ワールドカップのおかげで随分時間がかかってしまいましたが、ようやく読み終わりました。
刊行当初から話題だった世界文学全集のラインアップを見たときから、一番楽しみにしていた作品です。
最初の第1章からナボコフらしさ満載でうはうは喜んじゃいました。
人称と視点がどんどん変わっていく文体、独特の隠喩、少々悪意のあるユーモアなど、どこを読んでもナボコフという感じです。
5章からなる小説なんですが、当初雑誌に連載されたときはそのうちの第4章がまるままカットされていたと前書に書かれていたので、そんなことしたら話がわからんだろうと思っていたら第4章はいわゆる作中作で、主人公の書いた小説ということになってました。納得。
この第4章はチェルヌイシェフスキィという実在の人物の伝記なんですが、僕はもちろん初耳だったので、調べてみたらロシア革命初期の活動家兼作家というような人で、レーニンにも影響を与え、最後はシベリア送りになった人物です。ナボコフはこの人をかなり戯画化して書いてまして、そのおちょくり方は筒井康隆級という感じ。共産主義革命で財産すべて持っていかれた亡命ロシア貴族の子息としては、やはりかなり悪感情があったんでしょうか。
また本人は否定しているようですが、かなり自伝的な小説で、「記憶よ語れ」に出てくるエピソードや境遇と物語の背景がかなり重なっています。しかしやはりあくまで自身の体験をもとに作り上げた虚構ということなのでしょう。
詳細なあとがきにも書かれていましたが、これはナボコフの最後のロシア語小説であり、その後の作品のアイデアの源泉がここに集約されているという感じです。登場人物がちょろっとロリータのあらすじをしゃべる場面なんかもありますし。
とにかく面白かったです。難点を言えば名前が非常にわかりにくいという点で、最初少々混乱しました。
すぐにでももう一回読み返したい気持ちなんですが、すでにピンチョンの「メイソン&ディクソン」やその他が積読状態になっているので、そちらが先になりそうです。

JAZZ LIFE

以前からムースピールに対する国内メディアでの評価の低さ(というか関心の低さ)にギモンを感じていたのですが、先日も数十年間毎月買ってるJAZZ LIFE誌のCDレビューを見てまたまた腹が立ってしまいました。最近年のせいか喜怒哀楽の振幅が徐々に大きくなってきてる気もします。
ムースピールとミック・グッドリックによる新作のレビューが出てたんですが、第一にMICK GOODRICKの名前がMIKE GOODRICKとなっており、さらに日本語表記はニック・グッドリックとなっている。ムースピールの名前もムースピエールというはじめて見る表記。ただこの人の場合はどう発音するのかよくわからない名前なんでまあいいとしましょう。その上どういうわけかアルバムジャケットがこのCDだけなぜか空白になってる。ムースピールに何か恨みでもあるのか?なんで?と思ってレビューの内容を読むとこれまた、この筆者あんまり知らないで書いてるなと思われる内容。それにしてもこの演奏を聴いてその程度なのか?このALL THE THINGS YOU AREを聞いてスリルを感じないのか?と(まあ、これはファンの身贔屓かもしれませんが)思ったわけです。興味も聞く耳もないなら書くなと言いたい。・・・・いかん、ちょっと興奮した。
それ以前に情報が古い。このCD既に数ヶ月前からショップに出回ってたから速報性から言うとあまり意味がない。
だいたい前からこの雑誌はパットメセニー以外のギタリストを知らんのかと言いたくなるような情報の偏向を感じてたのです。
・・・・と色々文句言いつつ、某JAZZ誌も休刊に追い込まれている昨今の状況の中、JAZZ LIFE にはなんとかがんばってもらいたいと思う今日この頃です。

2010年7月 2日 (金)

浅倉久志さん

この前浅倉久志さんのことを書こうと思って忘れてました。

本屋さんをブラブラしてたとき、たまたま久しぶりにSFマガジンを手に取ったら浅倉久志さんの追悼特集となっており、はじめて亡くなられた事を知りました。2月に亡くなられたんですね。

高校生の頃浅倉さんの翻訳本を随分読みました。当時好きだった(今でも好きですが)ヴォネガットとディックの翻訳はほとんどこの方だったので、ひょっとしたら僕はヴォネガットやディックではなく浅倉さんの文章が好きだったのかもしれません。もう随分長い間これらの作家の作品を読んでいませんので、浅倉さんの翻訳を最後に読んだのはディックの「スキャーナー・ダークリー」ということになります。この作品は現在3人の翻訳家による別々の版があり、僕はサンリオ版で「暗闇のスキャナー」というタイトルで出ていたものを以前に読んでいたのですが、早川書房から浅倉版が出たのを知って再読しました。それが最後に読んだ本になってしまいました。

あまり翻訳者を気にして読むほうではなかったのですが、浅倉さんとバースやピンチョンの翻訳家で有名な志村正雄さんのお二人は自分の中で特別な存在です。

2010年7月 1日 (木)

なんだか忙しい。

さてW杯、日本は敗戦しましたが、これからは好カード目白押しでますます見逃せない状態です。その他色々あって忙しく、ナボコフの「賜物」を読み終われないまま、待望のピンチョン全集が刊行開始となって、その第1回配本「メイソン&ディクソン」を買ってしまいました。ついでに諸星大二郎さんの西遊妖猿伝2巻が出てたのでこれも購入。一気にお金がなくなりました。

前に買っておいたスティーブ・エリクソンの「エクスタシーの湖」もまだ読んでないし、どんどんたまる一方・・・小遣いは出て行く一方なのに。

妖猿伝、面白かったです。読んだのはこれだけ。諸星先生の描く妖魔は本当にいいなあ。絵もますます磨きがかかってきて独特の世界を描いてくれてます。

他にも読めてない本がだいぶあるんですけど追いつけそうにないなあ。

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ