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2012年3月28日 (水)

逆光 /トマス・ピンチョン

ピンチョンの最長長編を漸く読み終えました。上下巻1600ページを越えるこの小説、僕の記憶容量を完全に凌駕しており、読み終えた今となっては最初の方のエピソードの大半を覚えてないという有様です。

舞台はシカゴ万博から第一次大戦直後までの時代。テロリストの父を持つ労働者階級の一家の復讐物語というのが主軸になっていますが、なにせ寄り道が多く、全地球的広がりを持っているため、いったいいつ戻ってくるのかわからない状態となってしまいます。空想科学小説、スパイ、西部劇、テロ、労働争議、戦争、オカルト、数学史、ポルノなどなどといったピンチョン的素材が混然一体となって押し寄せてくるし、ついていくのが大変でした。

ピンチョンは国家、巨大企業、政府といった集団化、抽象化した存在の持つ悪意みたいなものを非常に嫌っており、そういったものを標的にすることが多いように思うのですが、この作品ではめずらしく非常に具体的な敵役が登場します。そのためかずいぶんエンタメっぽい感じがし、その分読みやすい小説になってるように思います。

読みやすいと言ってもそうすらすら読めるわけでもないのですけどね。

ピンチョンの小説は歴史の描き方に特徴があって、そのせいで知識のない僕のようなものはえらく苦労することになります。歴史が常に物語の背景を流れていて、その時々の歴史的事件がほのめかされるのですが、そのことについて読み手がすべて了解してることを前提として書かれている感じ。ちょうど我々が日々生活をしてるその横で歴史的事件が起こっているけど、我々の生活には直接的な影響はない、でも間接的にはなんらかのリンクが感じられる、というような状態がそのまま文章化されてるとでもいうか・・・・。

まあ大変な小説です。

木原先生の「逆光を読む」っていうあんちょこ本(?)をすでに手に入れており、これから読もうと思ってます。・・・となれば本編の方ももう1ラウンド読むことになるかなあ。

ますます積読本が増えてしまう・・・・。Gyakkotp

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