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2016年3月21日 (月)

記憶よ語れ/ ナボコフ

以前読んだナボコフの自伝ですが、今回新訳かつ、一章プラスされての出版ということで再読しました。

以前も思ったことですが、自伝と言いながら一種の連作短編のように読ませるところがナボコフらしいところです。実際いくつかの章は短編として発表されていたようですし。

特に今回付け加えられた16章のおかげでより小説感が強くなったように思います。この章は批評家が書いた「記憶よ語れ」の評論という体裁を取っており、実にナボコフっぽいやり口になっています。ただし、ナボコフ自身は結局この章を加えた形では一度も発表していないそうですので、いわゆるボツ原稿ということでしょうか。

そういうものも死後発掘されて人目にさらされるというのは、本人にとってどうかとも思いますが読む側としては嬉しい限りです。

今回の新訳ではそのほかに序文が変わっていること、資料的写真とそれについての本人のコメントが収録されていることといったあたりが目新しいところです。

訳者のあとがき等に示されたナボコフが隠した仕掛についてはほぼ気が付かず、だめな読者だなあと再認識しました。

ついでながらカバーのデザインも面白かったですね。レタリングがちょうど記憶の欠落を示すように欠けているような感じになってます。

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