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2016年4月 3日 (日)

オルフェオ / リチャード・パワーズ

パワーズは「舞踏会へ向かう三人の農夫」「ガラティア2.2」の2作品を遠い昔に読んで以来の作家です。当時は両作品とも面白さがよくわからなかったのですが、このところやたらと翻訳が出版されていることと音楽がらみの作品だったこと、翻訳者が木原氏であることなどに惹かれて読んでみました。

現在70代の前衛音楽家が主人公ですが、生涯ほとんど聞く人のいないような作品ばかりを作ってきた作家がバイオテロリストの嫌疑を受け、逃亡を続ける中でこれまでの人生や20世紀の音楽家のエピソードなどが語られるというような内容です。

つまり現在70代の主人公のストーリー、その生涯、前衛音楽史の3つの物語が順次語られていく形を取っています。クラシックには詳しくないので出てくるエピソードのどこまでが史実なのかよくわかりませんでしたが特にメシアンの話は印象的でした。有名な話のようですけど。気になって取り上げられている曲をダウンロードしてしまいました。

主人公がバイオテロと疑われた原因は、細菌のDNAを操作することで、そのDNAに曲を記録するというようなアイデアを実行しようとしていたためなんですが、ここのところがなかなか分かりにくかったです。遺伝子操作によってオリジナルのDNA配列を作ることと、音の配列の組み合わせにより人間の感情に訴えるパターンを生み出す作曲という作業の類似性にのめり込んだということですかね。

本文中にいろいろな曲が出てくるのですが、それを文章化して読ませるところがこの小説のひとつの見せ場でしょうか。

この小説の時代設定は現在なのですが、なぜかピンチョン、ヴォネガットなどのもう少し前の世代の作家の作品の方に同時代性を感じるのはなぜかなあ。自分が昭和世代だからか?なんか不思議です。

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