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2016年5月 1日 (日)

きみを夢みて / スティーブ・エリクソン

なんか最近来日されていたようですね。ゼロヴィルって本も翻訳が出たし。

このところ作品を書いていない作家と妻、男の子と養子であるエチオピア人の4歳の女の子という一家の話です。

最初読み始めるとエリクソンらしい幻想味がないなあ、少し年を取るとやはり家族や子供の話が書きたくなるのかなあという感じでちょっと戸惑いました。

だけど途中で、かなり唐突にロバートケネディの暗殺前後の話が入ってきて、また作家が構想中の小説世界が混ざりこんで、いよいよエリクソンらしい展開となってきます。

現在の家族の話、ケネディの話、構想中の小説という3つストーリーの中にあらわれる色んなエピソードが、それぞれの枠を超えて別のストーリーの中に侵入してくる感じがなかなか面白いです。複雑でついていくのが結構大変ですけど。

全体にアメリカが抱える様々な社会問題、期待外れでがっかり感満載の政治状況、解決のない閉塞感といったものが描かれ、かなり政治的発言も多いので、そのあたりは日本人として読むのとアメリカ人が読むのとではちょっと感じ方が違うかもしれません。

実名はほとんど出てこないですがケネディ、オバマ、ジョイスのユリシーズへの言及、それに薬物でへろへろになってベルリンに行くデヴィッドボウイなどが登場します。ボウイについては突然の他界でショックを受けていたところだったので、小説中随所で流れるヒーローズが悲しくて仕方ありませんでした。

この前読んだパワーズの小説はクラシックでしたが、こちらはポップミュージックが小説内を流れています。そのこともあってか、かなり陰鬱な内容ながら暗くなり過ぎないところが救われます。最後はかなりポジティブな感じで終わってますし。

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